COLUMNお役立ち介護コラム

2025.12.16 更新

独自の施設内通貨の導入で利用者に変化が!期待できる効果と注意点について解説

皆様こんにちは。福祉のキャリアカレッジです。皆様は、施設内通貨を導入している介護施設が増えていることをご存じでしょうか。施設内通貨とは、デイサービスや有料老人ホームなどの施設内でのみ通用する独自通貨のことです。今回は、施設内通貨を報酬として付与したり、買い物やサービスの利用に使えるようにしたりすることが、施設利用者にどのような効果をもたらすのか、またどのような点に注意して導入する必要があるのかなどについて解説します。

施設内通貨の導入例

一口に施設内通貨と言っても、施設ごとの独自色が強く、獲得方法や使用方法もさまざまです。いくつか例を挙げて紹介しましょう。

 

・大阪府堺市を中心に37事業所を展開する「ラポール会」の場合

通貨名は「ハッピー」。ICカードにポイントを貯め、施設内で利用する形です。ハッピーは、リハビリやエクササイズ、脳トレ、体操、レクリエーションなどに参加するともらえます。貯まったポイントの用途は施設によって異なりますが、喫茶での飲食や、フェイスエステ、ネイルなどのサービスの他に、囲碁・将棋、パチンコ、カラオケなど娯楽への参加や、景品への交換など幅広く利用できます。

 

・愛知県西尾市「デイサービスはぁと」の場合

通貨名は「はぁと通貨」。施設代表者の肖像が入ったカラフルな紙幣です。毎月、初回利用日に1000はぁとが付与される他に、口腔ケアやタオルたたみなど生活リハビリを行うことで獲得できます。通帳のような記帳用カードがあり、半年に一度、貯金額のランキングが発表されます。貯めたはぁとは、マッサージや喫茶での飲食に利用できます。こちらの施設では、自分のためだけでなく、他の人にごちそうするという使い方をしている方も多いそうです。

 

・神奈川県藤沢市の介護付有料老人ホーム「クロスハート石名坂・藤沢」の場合

通貨名は「デイ」。入居者ができるだけ自立した生活を送れるように、2010年の開設当初から取り入れているものです。食器の配膳や下膳を自分で行ったり、他の入居者の介護を手伝ったりすると獲得できます。貯めたデイを交換できるのは月に一度の交換会の時のみ。食品や日用品との交換が可能です。

 

愛知県名古屋市「フラワー園デイサービスセンター」の場合

通貨名は「ワーク」。参加希望者のみ「はたらくデイ」という社会参加できるシステムがあり、その報酬として受け取れるのが園内でだけ使える通貨「ワーク」です。1ワークと10ワークの紙幣があり、貯めたワークは、景品との交換や外出行事の参加費として利用できます。

 

・関東・中部地方を中心に22拠点を持つ娯楽型デイサービス「ラスベガス」の場合

通貨名は「ベガス」。レクリエーションにカジノ遊びを取り入れている娯楽型デイサービスという特性上、ベガスはゲーム内通貨で、ゲームを始める前に行う体操に参加したり、、ルーレット、麻雀、パチンコ、ブラックジャックなどのゲームに勝利したりすると獲得できます。このベガスは景品への交換などはできず、ゲームの参加にのみ利用できるものです。

 

・愛知県一宮市「たんぽぽ温泉デイサービス一宮」の場合

通貨名は「シード」。リハビリを頑張ったご褒美としてもらえるものです。リハビリの種類は250種類もあり、好きなものを選んで参加できます。同じリハビリでも参加方法によってもらえるシードの数が異なる点がユニークです。例えば、約100メートルのリハビリ通路を徒歩で一周したら100シード、杖をついて一周したら200シード、車椅子で一周したら300シードという違いがあります。また、パチンコやブラックジャックなどで勝てば増やすことも可能で、貯めたシードは、喫茶での飲食やマッサージの他、バスでの外出などにも使えます。

施設内通貨導入のメリット

施設内通貨の導入が進んでいるのは、施設利用者にとってさまざまなメリットがあるからです。主なメリットには、以下のようなものがあります。

 

・モチベーション向上と自立支援につながる

リハビリやレクリエーションに参加するきっかけになるのはもちろん、がんばったことが目に見える形になるので、やってみようという意欲が引き出されます。貯めたければ、自発的に参加することにもなるでしょう。

 

・脳の活性化や認知症の予防効果

「自分で稼いで使う」というサイクルを繰り返すことが、記憶力の維持や認知機能の向上につながります。

 

・コミュニケーションの促進

施設内通貨の獲得や買い物、サービス利用などを通じて、他人とコミュニケーションを取る機会が増えます。利用者間やスタッフとの間の会話が増えれば、表情も豊かになるでしょう。

 

・生活の質の向上

貯めた施設内通貨を、普段なかなかできないことや自分のやりたいことに使えれば、施設で過ごす時間が楽しく有意義なものになります。

施設内通貨導入の注意点は?

施設内通貨は、現金に換金できません。資金決済法や通貨及び証券模造取締法などの法規制に触れないようにするためです。また、過剰に射幸心をあおることも、ギャンブル化につながるため問題があります。あくまでも、リハビリやレクリエーションの参加促進、自立支援などを目的とすることが大切です。

 

いかがでしたか。施設内通貨の導入は、これまでデイサービスに行きたがらなかった人や、リハビリ、レクリエーションの参加を嫌がっていた人が、自発的に参加するきっかけになっているようです。施設の独自性がよく現れる取り組みですから、皆様が就職先を探す際には、チェックポイントの1つにしてみてもよいかもしれませんね。

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