
皆様こんにちは。福祉のキャリアカレッジです。皆様の中には、実習などで介護の現場を体験した際に、「ここは何とかした方がよいのでは?」と感じることがあったという人もいるはずです。そこで、今回は、介護業界が抱えている課題と、その解決策として実際に行われていることについてお話します。
介護業界が抱えている6つの課題
介護業界は全体として次のような課題を抱えています。いずれも、介護業界で働く以上、無視することはできない問題です。
1.要介護者の増加
日本は総人口が減っているにも関わらず、65歳以上の人口が増加しています。内閣府が公開した「令和5年版高齢社会白書」では、2025年に、団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者になり、65歳以上の割合は30%を超えると試算されていました。介護人材の不足だけでなく、社会全体に大きな影響を与えることから、これら諸問題をまとめて「2025年問題」と呼んででいます。
同白書では、その後も高齢者の割合が増え続け、2040年頃には、団塊世代の子供=団塊ジュニアが65歳以上となり、少子高齢化がピークを迎えるという予想もしていました。こちらも「2040年問題」と呼ばれ、社会保険制度を支える労働人口が不足し、更に大きな問題となることが心配されています。
2.介護人材の不足
介護を要する人が増加する一方で、労働人口は年々減ってきています。介護職の有効求人倍率は他の職種と比べて高い、つまり人手不足の状態です。特に、都市部では介護人材の不足が顕著で、有効求人倍率が4倍を超えているところもあります。
3.介護職員の高齢化
介護職員は他業種の労働者と比べ平均年齢が高く、平均年齢が50歳前後という施設も少なくありません。65歳以上の介護職員が所属している施設が多いのも、他の業種と大きく異なるところです。特に訪問介護の担い手は20代、30代が2割程度と少ないことから、若手の育成が急がれます
4.財源の不足
介護保険がスタートした2000年時点の予想を上回る急速な少子高齢化により、当初の予定よりも早く財源不足に陥っています。高齢化が進むにつれて介護費用も増加傾向にあり、介護給付費の総額は、制度創設時の約3倍にまで膨れ上がっている状況です。
5.家族による介護の限界
高齢の夫婦が介護をし合う「老々介護」、認知症の夫婦が介護し合う「認認介護」、18歳未満の未成年者が家族の介護を担う「ヤングケアラー」など、家族主体の介護にも限界があります。
6.介護施設の倒産
介護施設の倒産も相次いでいます。物価高によってコストが余分にかかっても、価格に転嫁することができないため、介護報酬内での運営ができない施設も出てきています。特に、中小規模の施設では、収益性が悪化すれば、人材確保にもお金を掛けられないため、事業の継続を断念するしかありません。
介護業界が課題解決のために実施していること
上記のような課題は以前から言われていることですし、介護業界だけでなく国や自治体も、ただ手をこまねいて見ているわけではありません。少しでも状況を良くするために、以下のようなことを実施しています。
・介護DXの導入
介護DXを導入することによって、業務の効率化や生産性の向上を図っています。スマートフォンやPCとなど、身近なデジタル機器を活用して、作業の工数を減らし、かかる時間を短縮する取り組みがその一例です。職員の作業負担を減らすだけでなく、時間的な余裕も生み出すことになり、質の高い介護の提供も可能になります。
・職員の待遇改善・社会的地位の向上
2023年5月までは、3つに分かれていた介護職員の加算制度が、2024年6月以降は「介護職員等処遇改善加算」に一本化されました。介護サービス事業所に雇用されている職員の賃金と他業種の賃金との格差を是正し、雇用安定や処遇改善を図るために新設された制度です。また、厚生労働省が主体となり、介護の仕事の魅力を発信する取り組みなども行われています。
・職員のメンタルケア
職員のメンタルケアに力を入れる介護サービス事業者も増えています。セクハラやパワハラなど、職員間のトラブルをいつでも相談できる窓口を設置したり、専門のカウンセラーが定期的に面談を行ったりするなど、事業所によって取り組みの内容はさまざまです。
・雇用形態の多様化
日勤かつ正社員という働き方をすべての人が望んでいるというわけではありません。家庭の事情でパートやアルバイトでしか働けないという人もいます。雇用形態や働く時間を柔軟に定めれば、潜在化していた介護人材を掘り起こし、活用することが可能です。
いかがでしたか。介護業界全体が抱えている問題に対しては、しっかり取り組んで結果を出している事業者とそうでない事業者がはっきり分かれてきているのが現状です。できるだけ長く介護の仕事を続けていこうと思ったら、やはり課題に対する取り組みをしっかり行っている事業者を選んで就職するべきでしょう。就職先を探すときには、今回の話を思い出して、課題に対してどのような取り組みをしているかという点もチェックしてみてください。
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