
皆様こんにちは。福祉のキャリアカレッジです。皆様は、利用者からなかなか心を開いてもらえず苦労した経験はありませんか? 同じ態度や言動に見えても、その背景にある思いは人によって違います。介護職は、その違いに気付いて相応の対応をしなければなりません。そこで、今回は、介護を受ける高齢者の心理についての話をします。
介護される側の心理とは?
介護職として複数の利用者と接してみると、自分が受ける介護についてネガティブな感情を抱いている人が意外と多いと感じるはずです。なかなか打ち解けてくれない人、反発ばかりする人だけでなく、表面上打ち解けたように見せているだけの人もいます。介護現場で働く人は、それぞれの人がどのような心理状態で介護を受けているのかをきちんと理解する必要があるでしょう。
介護される側が抱きやすいネガティブ心理には、以下の4つがあります。
- 疑心暗鬼
初めてサービスを受ける人や、認知機能が低下している人は、「疑心暗鬼」に陥りがちです。「若いころのようには動けなくなった自分のことを周りは蔑んでいるはず」「足手まといだと思っているに違いない」と思い込んでいることが少なくありません。「ニコニコしているけれど、本当は自分の世話なんて嫌なはず」とネガティブに捉えている可能性もあります。疑心暗鬼の根底にあるのは、不安や孤独感、自分の変化に対する焦りなどです。
- 気遣い
介護を受ける側である高齢者が、介護をする家族や職員に対して必要以上に気を遣っている場合があります。「本当は嫌なのに嫌とは言えない」「辛いのに辛いと言わずに頑張りすぎてしまう」という日々が続くと精神的な負担が大きく、体調を崩しかねません。このような気遣いの裏には、実は2つの心理があります。
1つは、子ども扱いされたり、行動を制限されたりして、自尊心を傷つけられるのではないかという不安です。「自分でやりたいのにできない」と葛藤しながら、「これからますますやれることが減っていくかもしれない」という現状におびえている状態です。
もう1つは、周りの手を煩わせることに対する遠慮や申し訳ないという気持ちです。特に初めてサービスを利用する人に多いのですが、「家族でない人に介護をさせるなんて申し訳ない」という思いから、「できるだけしっかり動くようにしなければ」と無理をしてしまいます。
- 羨望
手足が動きづらい、認知機能が低下してきたという自覚がある高齢者は、健康な人、若くて活発に行動できる人に対して羨望の気持ちを強く抱きがちです。「もし手足にマヒがなければ負けないはずなのに」「もっと若ければ簡単にできることなのに」という思いが強く、自分の現状を受け止められずにいます。「よりによって自分が介護を受けることになるなんて」という思いが強すぎて、素直に手を借りることができません。
- 厭世観
厭世観は、自分の人生はつまらなく、不幸なものだという考えです。「他人の手を借りてまで生きる意味があるのか」「ただ衰えていくだけならこの先生きていても仕方がない」などと思っているため、素直に話を聞いてくれません。介護を拒否することもあります。
扱いづらい利用者に対する接し方
まずは、どのような心理状態で介護を受けているのか、理解するところから始めましょう。否定しないように注意しながら、じっくり話を聞くことが大切です。「この人は話をしっかり聞いてくれる」「安心して話せる」と思ってもらえれば、どう接するべきかが見えてきます。
疑心暗鬼になっている人に対しては、安心して過ごせる環境づくりが必要です。「誰も迷惑だとは思っていないし、一緒に過ごせることを喜んでいる」ということが伝わると、態度や言動が一変します。
気を遣いすぎる人に対しては、対等な個人として接することがとても重要です。「自分は一方的に介護されるだけの存在」と感じさせないようにしましょう。命令口調や子ども扱いは厳禁です。
相手の話をよく聞き、寄り添う姿勢をしっかり見せたうえで、自力でやれる範囲を正しく見極めましょう。適切な形で手を貸し、自力でできたという喜びを感じてもらうことが大切です。「もうできない」ではなく、「まだできる」ことを「一緒にやる」と感じてもらうことで、ネガティブな感情を抱くことが減り、気を遣いすぎることも減ってくるでしょう。
羨望や厭世観が強すぎる人に対しては、自分の現状を正しく受け止め、それが不幸ではないと理解してもらわなければなりません。サービスを利用する中で打ち込める趣味や自分の気持ちを理解してくれる人が見つかれば、態度や言動が変化するはずです。
いかがでしたか。介護してもらう側にも心の負担があることが分かったのではないでしょうか。してもらうばかりの一方的な関係では、高齢者が自尊心を保てません。介護を受ける側の心理を理解し寄り添うことができれば、扱いづらいと感じることもなくなるはずです。
福祉のキャリアカレッジでは職業訓練(ハロートレーニング)を大阪駅前校、天王寺駅前校、神戸三宮校、京都烏丸校の4校でほぼ毎月のように開講しています。職業訓練は現在未就職の方が対象で、受講料無料で受講できるのが最大のメリットです。通信教育とは違いすべての科目(座学、実技)を対面式で受講でき、企業実習、就職支援で確実に就職まで支援していきます。
福祉のキャリアカレッジが実施している介護職を目指す方のサポートは、すべての年代の方が対象です。ハローワークを通じての応募になりますが、各校への説明会や見学はお気軽にどうぞ。無料説明会(合同での説明会)個別見学等はHPからWEB予約できますので是非一度お越し下さいませ!もちろんお電話でも受け付けしています。